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もりしたともこ

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卒業試験

大阪音大の卒業試験をちょこっと聴きに行ってきました。
母校の卒業試験なんてそれこそ自分の卒業以来聴きにいってなかったんじゃないかなぁ…
昨夜雪が少し降って、交通が大変なことになるかと心配していたけれどよいお天気でよかった。
お昼からを聴く予定で行ったのですが、早く着きすぎて会場のオペラハウスが閉まってました。間違えでもしたかとちょっと焦った。

しかしなんというか。自分の弟子が演奏するのをきくってのは、自分が演奏する以上に心臓に良くないですね(笑)
大学4回生の冬。自分もかつて苦しく厳しい練習をひたすら重ね、恐ろしいプレッシャーの中で舞台にたっていたあの気持ちの記憶が蘇ってきました。

今だからいえるけれど、そのとき自分は一次試験となる演奏中に暗譜が飛んでしまって演奏が止まってしまったのです。それでも選ばれて二次試験に進み、最終的に新人演奏会の舞台に立てました。無伴奏の現代曲だったので、演奏が止まった事を試験管に悟られなかったのが幸いしたのかもしれません。
止まってしまってふっきれたのかその後の演奏は自分でも信じられないくらいのエネルギーに満ちてたような覚えはあります。気がつけばすべてを出し切って演奏が終わっていた。ああもう思い残すこともないや、と舞台を立ち去ったものでしたが…

ともかくあの舞台というものには、どうしようもないほどのプレッシャーが押し寄せてきます。無論そうさせているのはすべて他でもない自分自身であり、あの舞台とは自分との戦いでもある。大学卒業時に立ちはだかるラスボスは、4年間自分の中に育ててきた自分自身。自分に課したものが大きければ大きいほどそれは強敵であり、それに立ち向かう自分自身もまた強い勇者となってるはずなのです。
楽しいはずの音楽で「戦う」なんて?と思うかもしれない。リラックスして演奏を楽しめばよいじゃないかと。けれど本当の意味での「リラックス」を得るためには避けて通れぬところがあると私は思います。自分の限界を知ること。限界をこえる力を信じること。
つまりたぶん、もっとも舞台で自由になれるためには、自分自身を知り尽くしていなければいけないと。

ぞろぞろと学生と思しき観客が入ってきては、固唾を飲むように先輩の演奏に聞き入っている。その姿にもいろいろと思うものがありました。そして試験管としての座席に居る、彼らを育ててきた先生方。この会場にある、いろんな人の強い思い。それはあの会場にしかない、不思議で貴重なものでした。たぶんみんなのその思いも、彼らの未来へのエネルギーとなっているはず。輝けるのは、思いを受けてこそ。

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