最近の記事
読んだ本紹介
ナチ将校の妻―あるユダヤ人女性:55年目の告白
著者エーディト=ハーン=ベアはオーストリア、ウィーンに暮らしていたユダヤ人女性。第二次世界大戦のナチスによるユダヤ人迫害を、自らの正体を隠してドイツ・ブランデンブルグに潜伏することで逃れた。
物語としてとても面白い、等と思ってよく考えるとこれはフィクションではないのだ。そう思うと実に恐ろしい話。
地獄を歩いても焼かれない、ダンテになった気分だというような一文がある。まこと、皮肉なことに彼女はユダヤ人を徹底的に苦しめたナチスのまさに本拠地であるドイツで、しかもナチス党員である男性に見初められ結婚することになる。なぜそんなことになったかは読んでのお楽しみ・・・。
それにしても、著者は洗練されたウィーンという街で、人種差別、弾圧・迫害、そしてホロコーストなどということがおころうとは夢にも思わなかったというが、これを今の日本に置き換えるとぞっとする。いったいいつ、人々がプロパガンダによって洗脳され、隣人への攻撃をはじめたとしてもおかしくはないのかもしれない。
- 関連記事
-
- 「秀長」を読んだ (2011/01/06)
- 最近本の虫。 (2005/08/31)
- 読んだ本紹介 (2005/08/25)
コメント
コメントの投稿
トラックバック
- トラックバックURL: